あれは数年前の4月。
マエグロのスーパーハッチが起き、釣りでいい思いをした。 フライを始めて間もない連れ合いが、幸運にも高原川で尺ヤマメを手にした日だ。 あの日の記憶を再現しようと、前日からマエグロのパターンを重点的に巻いてみる。
妄想のように期待はどんどん膨らんでいく。
あの日と同じ場所、同じ時間帯に、マエグロのフライを握り締め、ライズを探す。
しかし、ライズは一向に起きない。 その上、マエグロのマの字も見当たらない。 単発ライズに向かってマエグロのフライを投じてみるも、無反応。 起こったライズは、たったの2発。それも1時間の間に!
ふくらみきった期待が、むなしくはじける。
気を取り直して釣り上がりを開始すると、魚はあっさりキャッチできたが、 サイズは夢見た尺にはほど遠く。その後、数匹キャッチしたものの、サイズはアップしなかった。
この日はどこに行っても虫の姿がなく、安定してハッチしていたのは、先日の増水を免れた区間だけだったようだ。
その区間でキャッチしたアマゴ。
今年の蒲田川は水量、水温ともに不安定なため、一定して虫が出ていないようだ。そのため過去の記憶はまったくあてにならなかった。翌日も釣りをしようか 迷ったが、兼六園での花見と天秤にかけたところ、花見に軍配が上がった。
帰りの道中、かわいらしいつくしを発見。佃煮にするとうまいらしい。風情よりも食い気が勝る今日この頃。
そして満開を迎えた兼六園の桜。何事も散り際とあきらめが肝心である。